妖の王子さま



触れる優しい掌。
重なる身体。



満たされる心。






「蒼子・・・、おれ、胸がいっぱいだ。今まで誰といても、こんな気持ちになったことなかった」

「・・・私、も。・・・幸せっ」





白玖の心が動いた。
それが、嬉しかった。


想いが通じた。
それが幸せだった。


重なる想いが、満たされた身体が。




ただただ、嬉しかった。






「蒼子・・・」





白玖の呼ぶ自分の名に、心が痺れた―――――。





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