妖の王子さま
「・・・・・」
目を覚ますと、白玖に抱きしめられていた。
蒼子は一瞬で昨夜の事を思い出し顔を赤らめる。
蒼子はそっと白玖の頬を撫でる。
「夢みたい・・・」
白玖に好きだと言われるなんて。
照れるということを知らない白玖は、いつだって全部でぶつかってくる。
自分のすべてを捧げてくるのだ。
「・・・ん・・・・?」
開かれた白玖の瞳。
蒼子のそれと重なると、フッと微笑み、腕を巻きつけ蒼子を抱きしめた。
「蒼子、もう少しぎゅーっとしたい」
「は、白玖・・・っ」
白玖に甘えられると嬉しくて、拒むことなんてできない。
蒼子は同じように白玖の身体に腕を巻きつけた。
少し早い鼓動。
ドキドキしているのは、同じなのだ、と嬉しくなった。