妖の王子さま



しばらくし、着物を身に纏った蒼子は外に出る。
すっかり心配かけてしまったため、牛鬼たちにを探す。




「蒼子さま!」



すぐに、牛鬼が現れ蒼子に抱きついた。




「よかった、蒼子さま!」

「ごめんね、心配かけて」



牛鬼を抱きとめると、蒼子はそう言って笑った。
牛鬼は、蒼子の身体に顔をうずめるとくんくんと鼻をすすった。




「・・・白玖の匂いがする」




その言葉に、一気に顔を染め上げた。




「えっっ」

「・・・、よかったな」



牛鬼はそう言って笑った。
恥ずかしさに蒼子は逃げ出したくなったが、牛鬼はシレッとしたものだった。




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