妖の王子さま
最後ノ章
白玖の変化
「蒼子ー」
「あーおーこー」
「蒼子っ」
想いが通じ合ってから。
白玖は、今まで以上に蒼子への独占欲を発揮していた。
今もまた、蒼子の腰元にしがみ付きゴロゴロと寝転がっていた。
「白玖・・・」
蒼子は嬉しい半面、誰がいてもお構いなしの白玖の甘えに少し照れくさくもあった。
しかし、多々良や志多良、牛鬼も今まで見たことなかった白玖のその様子に、暖かな瞳を向ける。
「蒼子、チューして」
「えっ」
「ちうー」
顔をあげ、じっと見つめる白玖に赤く染めた頬。
戸惑いに視線を揺らす。
ど、どうしよう・・・。
蒼子は困った。
しかし、白玖のまっすぐな瞳に射抜かれ、断ることなんてできなかった。