妖の王子さま
「蒼子さま、本当にもう体調大丈夫なんだな!?」
「うん」
「どっか痛いとか、苦しいとか、ないんだな?」
「うん、大丈夫だよ」
部屋で蒼子は牛鬼に詰め寄られていた。
蒼子のことを心配し、不安そうな表情で蒼子を見つめていた。
「もう、牛鬼心配しすぎよ。大丈夫だって」
「ならいいけどさ・・・」
牛鬼はようやく蒼子から離れる。
はーと深く息を吐いた。
それほど、心配をかけたのだと気づく。
白玖も多々良も志多良も心配してくれていることがわかる。
しかし、事情を知らない蒼子は不思議で仕方なかった。
「蒼子さま、これからは力を使うのやめてくれない?」
「え・・・?」
「あの、心配だから」
「う、ん。気をつけるね」