妖の王子さま
いずなの攻撃をかわした先で、白玖が攻撃を仕掛ける。
しかし、朱鬼は簡単にそれさえもかわしてしまう。
次々と繰り出していく攻撃を、朱鬼はかわす。
「美しい友情か!?バカバカしい!手を組んでどうなる!頂点に立てるのは、ただ一人なのだぞ!」
高笑いをあげ、朱鬼は軽やかに翻しながら、すきを見て攻撃を返していく。
いずなも白玖も攻撃をかわし、攻撃の繰り出す隙を伺う。
「・・・白玖」
その様子を、蒼子が心配そうに遠目に見ていた。
うずうずする身体を抑え、祈るように胸の前で手を組んだ。
その側では、牛鬼が蒼子を護るため、辺りに気を配る。
蒼子の視線の先では、朱鬼に苦戦する二人の姿が映っていた。
白玖が吹き飛ばされ地面に叩きつけられるたび、ビクッと肩を震わせ飛び出そうと身を乗り出す。
それを牛鬼が慌てて引き止めるの繰り返しだった。