妖の王子さま
2人の未来
「妖の世は、青の国のいずなに任せることにしました」
深々と頭を下げ、そう告げた。
「な、なにを!なぜそのようなことになっておる!」
声を荒げたのは、白玖の母。
怒りに顔を顰め、わなわなと震える。
「もう、母上に縛られるのはいやなんです。おれには、おれの生きたい場所ができたから」
「母を、裏切るというのか!」
「・・・おれは、もう母上の道具はいやなんだ」
はっきりとそう告げる。
白玖は、まっすぐ怯えもせず母を見据えて。
そんな白玖の態度に母はおののく。