妖の王子さま
「・・・ええ。ぐっすり」
「ぐっすり・・・。おかしいな、なんでだろう」
首をかしげる仕草でさえも絵になるくらい美しい。
蒼子はそっと足を崩すと、じんじんとやはり痺れていた。
立てれない・・・。
「なにしてんの」
そんな蒼子を見下ろし不思議そうに白玖が呟いた。
「なにって・・・、しび・・・しびれてっ・・・」
ジンジンする足に涙目になりながら訴える。
白玖はしばらく蒼子を見下ろすと、すっと目の前に座り、ツンを足をつついた。
「き、やあああああ!!!」
あまりの痛さに悲鳴を上げる。
その声に、辺りがバタバタと慌ただしくなった。