子犬物語。
段ボールの外の世界
ぼくはいま、狭い狭い箱の中にいる。
ぼくの頭上には青一面。その中に白く綿菓子のようなものが、同じ方向へと少しずつ流れていた。
なぜだろう……?
ぼくはなぜ、ここにいるの?
ママは?
ママはどこ?
ぼくと一緒の箱の中にいるのは兄妹のいちご。他にも兄妹はいたけれど、なぜかぼくといちごだけ……ママや兄妹と離ればなれにされて、この茶色い箱の中にいた。
いちごはぼくとは違う女の子だ。ここに置かれた時から小さくうずくまって、何かに怯えるようにずっと震えている。
寂しいんだ。とても。
だって、ママがいない。
ここにはママの愛がない。
他の兄妹もいなくて、いちごとふたりきり。
何もわからないところでぼくといちごふたりきり。
ママ……。
さっきまで悲しげな、切なげな表情でぼくたちを見ていたのはなんで? いつも以上にやさしく体を舐めてくれた。
その後……人間がぼくたちを抱き上げて、この箱の中にぼくといちごだけを入れたんだ。そして気がつけば、見慣れない、今まで嗅いだ事のない匂いのするここへ置かれた。
『ごめんね……』
ぼくたちの頭を最後にひと撫ですると、その人の姿もなくなった。
「ねぇメロン」
ここに来て初めていちごが口を開き、ぼくの名前を呼ぶ。
ぼくの頭上には青一面。その中に白く綿菓子のようなものが、同じ方向へと少しずつ流れていた。
なぜだろう……?
ぼくはなぜ、ここにいるの?
ママは?
ママはどこ?
ぼくと一緒の箱の中にいるのは兄妹のいちご。他にも兄妹はいたけれど、なぜかぼくといちごだけ……ママや兄妹と離ればなれにされて、この茶色い箱の中にいた。
いちごはぼくとは違う女の子だ。ここに置かれた時から小さくうずくまって、何かに怯えるようにずっと震えている。
寂しいんだ。とても。
だって、ママがいない。
ここにはママの愛がない。
他の兄妹もいなくて、いちごとふたりきり。
何もわからないところでぼくといちごふたりきり。
ママ……。
さっきまで悲しげな、切なげな表情でぼくたちを見ていたのはなんで? いつも以上にやさしく体を舐めてくれた。
その後……人間がぼくたちを抱き上げて、この箱の中にぼくといちごだけを入れたんだ。そして気がつけば、見慣れない、今まで嗅いだ事のない匂いのするここへ置かれた。
『ごめんね……』
ぼくたちの頭を最後にひと撫ですると、その人の姿もなくなった。
「ねぇメロン」
ここに来て初めていちごが口を開き、ぼくの名前を呼ぶ。
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