私は、生きてる。




「さて、じゃあ早速始めよっか」




そう言って柊は少し間を置いた。




「夏休み満喫計画について、できるかどうかだけど…前も話した通り要はユウのテスト結果だ。それが今日全部戻ってきたみたいでね…」




……大事な話ってそれ?


え、そんなに楽しみなの?


そこまで真剣な顔して話すことでもなくね?




しかしどうやらそう思っているのはあたしだけのようだ。




五人全員の顔が今まで見たことのないくらい真剣な顔だったから、悟ってしまった。




こいつら、ガキだったんだな…。




「ユウ、結果は?」




あたしに気づく様子もなく変わらず真剣な顔でユウに尋ねる柊。




他三人もユウをジッと見つめている。




あたしはもう結果を知っているから別段興味はない。




しかしこの場で携帯なんぞ取り出そうものなら大目玉だろう。




仕方なく事のなり行きを眺めていると。




「俺…俺…」




そう言って口ごもり、果てには涙目になるユウ。




「ま、まさかユウ…」




「だ、ダメ、だった、の…?」




黒髪もとい、十流と赤髪もとい、亜稀の言葉に更に涙目になったユウ。




< 12 / 17 >

この作品をシェア

pagetop