私は、生きてる。
「おまえもその中に入ってんだろうな?」
あたしの言葉に眉間に皺を寄せるシロ。
「さぁ…どうだろ」
こちらに気づかずワイワイやっている三人をボーッと眺めながら呟く。
ここにはあたしを本当の意味で信頼し、信用してくれてる人はいないと思うから。
あたしが助けを請うたからここに置いてくれてるだけだと思うから。
皆、誰かとあたしを重ねてるから。
「そんな顔で笑うな…
おまえが俺たちを信用できないのはわかる。
信頼できないのもわかる。
けど、そんな顔で笑われたら助けた意味がないだろ…」
悲痛な、けれどとても小さいシロの呟きに、あたしがどんな顔をしていたのかすぐにわかった。
あの日と、同じ。
あの日もシロは、あたしを見て酷く辛そうな顔で、今と同じ声で、あたしを助けると言った。
よく観察しないとわからない程の小さな変化だが、あのときのあたしは何故かそれだけを見つけた。
「ご、めん…ごめん、シロ…もう少し、時間を下さい…」
あたしのせいでシロが苦しむ姿など、見たくはないのだ。
恩人を、苦しめたくなどない。
誰だって、そうだろう?