私は、生きてる。
目前にはとてつもなく整った顔の男が一人。
暗闇の中でも微かな光を反射し輝く銀髪。
男の後ろには銀一色のドデカいバイク。
更に奥の道路では先程まで走っていたバイクがすべて止まっていた。
皆こちらを心配そうに見つめている。
「おまえ、大丈夫か」
…馬鹿なのかなこいつ。
今の状況見てわかんないかな。
「…なにが。別に、なんともない」
でも丁度良い。
適当に誤魔化して帰ろう。
早く、帰らなくては。
早く、早く…。
「助けてって、言っただろ。その声、俺に聞こえた」
「っ…!」
力の入らない身体で無理矢理立ち上がった。
そんなときにかけられた言葉。
思わず固まった。
息を飲んだ。
「ち、がう…あたしじゃ、ない…」
狼狽え、視線をさ迷わせる。