私は、生きてる。
壱
「ぅおーいなつめぇー!」
「んん…なに…」
ソファに寝ていると派手に開いた扉の音とともに叫ぶように呼ばれゆっくりと目を開けた。
「見てくれ見てくれ!俺凄くね!?俺凄くね!?」
起き上がろうとしたところに馬乗りになり顔面になにかの紙をつきつけてきた男。
「………ユウ、見えない」
「うおっ!?ごめんごめん!ほれ!ほれほれ!これで見えるべ!?」
男もとい、ユウは慌ててあたしの顔から紙を離して、紙の隣で目を三日月型にして笑った。
「ん…?これ、ユウのテスト?」
その紙は、よく見ると答案用紙。
それも一週間程前に行われた期末テストの。
点数は46点。
名前のところには汚い字で榊勇杜(サカキユウト)と、ユウの名前が書かれていた。
「そう!俺の!俺頑張っただろ!?凄くない!?」
「凄いじゃんユウ。こんな良い点数取ってどうした?」