私は、生きてる。
「……で………から………っめ?……なつめ?おーい、なつめー」
トリップしていたあたしはユウのそんな呼びかけにハッとした。
「あぁ、ごめんごめん。なんで補習嫌なんだ?」
「夏休みは海行くって皆と約束したからに決まってるじゃん!」
ユウの言葉に、あぁそういえばと思い出した。
「そういえばそんな約束もしたな」
「嘘だろなつめ忘れてたの!?」
信じられないとでも言うかのように目を見開くユウに苦笑いする。
「なつめってばほんとに忘れっぽいよな!まぁそんなとこも可愛いけどな!」
「………そりゃどーも」
ニカッと笑ってさらりと言ったユウに唖然とした。
根っからのたらしか…。
「あー!本気にしてないな!?俺本気だからな!?なつめにしかこんなこと言わないんだぞ!」
「わーかったわかった。わかったから離れろ」
ずぃっと近づいてきていたユウの顔を押しながら言うと慌てて離れていった。