覇狼
『お前ら、呉葉の傷見たことねぇだろ?呉葉もビビッてんだ。受け入れてもらえないことが怖くて。ただでさえ、男に恐怖心抱いてんだ。ビビるのは当たり前だろ?でも、そんだけ……お前らに心許してるってこと。』
これから先、俺がいなくても大丈夫なように。
呉葉が弱った時、俺じゃなくお前らに守ってほしい。
『ナオ、お前は呉葉の初めての女友達だからな。強制はしねぇけど……ずっと一緒にいてやってほしい。そこの妹もな。』
麻「……え?」
『お前は関係ねぇだろ?呉葉もさっきはパニクったけど……姉貴は姉貴、お前はお前、だろ?』
麻「コクコク」
『春樹。俺がどれくらいもつかわかんねぇ。だから、呉葉のことを守るのは俺じゃなくお前がいい。お前らがいい。まぁ、もうしばらくいるけどな?』
春「あぁ……」
『まぁ、詳しくは呉葉本人に聞け。アイツも、お前らに話さなかったら前に進めない。……………………俺は、しばらく寝る。毅一、健太、お前らが気にすることじゃねぇぞ。呉葉が勝手にやったことだ。………じゃあ』
………きっかけは作ったぞ。
あとはお前次第だ、呉葉。
【side end】