覇狼
『アハハごめんごめん笑 ってかお腹すいた〜っ』
ひーくんからティッシュを受け取って唇をふく。
今日、お弁当作れなかったんだよね……
購買行かなきゃなぁ………
ガチャッ
『あれっ?きーちゃん?』
毅「……呉葉………。」
健「ほら、昼飯。」
ねぇ、なんでそんな泣きそうな顔してんの?
ってか、泣いたでしょ?
いーくんも、さっきからわざと明るくしてるし、
葉月もおかしい。
ナオは泣いてた。
おれんは一言もしゃべらない。
『………ねぇ、何聞いたの』
紅と私の記憶は共有されない。
情報交換はいつも会話。
つまり私は、紅が何をして、何をしゃべって、何を思ってるかなんてわからない。
春「………倉庫行こう。」
フラッと立ち上がった春樹は私の手を引く。
紘「そう、だな。」
話、してくれるんだろうか。
何を聞いたのか。
ただ、それを聞くのがコワカッタ…………