覇狼
『んー………で?って言われてもさ。』
「姉弟なの?」
『おぅよ。唯一血の繋がってる家族。ずっと、探してた。』
「呉葉、葉月が幹部だって知ってたのか?」
『しらなーい』
そもそも、あなた達のことも知らなかったのに、知ってるわけないでしょうに。
『葉月、もう自由だよ。あの女に怯えなくていいの』
「え?」
『戻らなくて、いいの。一生。』
「な、んで………」
今日、学校が終わったらあの女のところに行く予定だった。
あの女は、お金さえ渡せばいいって言ってた。
今までも教育費なんて言って金掻っ攫ってた。
それも今日でおしまい。
葉月の自由を取り戻す。
「なに、したの…………?」
「お前、すんげー悪い顔してたぞ笑」
『え笑 まぁ?一発殴ろうとは思ってたけど〜』
悪い顔してたかしら。