覇狼
途中で、人に教えてもらって、辿り着いたのは、この学校に到着してから1時間後。
それでも、方向音痴は否定しておく………
『入るよ。』
一応声をかけてから中に入る。
王道なら抱きつかれるのだろうけど、この人はそんなことしない。
「おせぇよ笑 迷子か?」
『別に………』
1時間も歩きまわって疲れた………
「ほれ、ココア。」
そう笑顔でマグカップを渡してくる理事長は、私を育ててくれた恩人。
✧桝田 毅一(マスダ キイチ)
大和学園の理事長。覇狼5代目総長。
何かと呉葉を気にかけてくれるお兄ちゃんみたいな存在。
まぁ、この人だけじゃなくて沢山の人にお世話になったんだけど。
「…ったく。連絡しろよ、迎えに行ったのに。」
『…一人で来れたもん』
「///////」
『…………どしたの、きーちゃん。顔真っ赤』
「気のせいだ…………それより、あの話は本当なのか?」
『まだ会ってないし、わかんない。』