覇狼
『さて。必要なのは金?』
「そうよ」
『どれくらいほしいの』
「300万」
『チッ……前回言ってた額じゃないじゃん』
「そうだったっけぇー?でも、300持ってこないと、家の息子はあげなーい」
息子?なに言ってんの?
『お前、ふざけてる?ふざけてるよねぇ?』
ひどいことばっかして、何が息子だよ。
「んな……」
『私が知らないとでも?』
「おい、呉葉」
『すこぉーしキレてる。ヤバそうだったら止めてねぇ〜』
良かったぁ連れてきて。
『300で、私の葉月、返してくれるんだよね?』
「あんたのじゃな……」
『んー?聞こえないなぁ〜私の大事な弟、アンタのせいでたぁっくさん傷ついたんだけどぉ?』
「………」
『殺すよ?』
抑えてた殺気が部屋の温度を低くした。
あー、やばい。
ここでやめなきゃなぁー。
『ふふ〜。はい、300万。これから先、葉月に手出したら、本気で殺るよ。』
茶色い封筒を女の方に放り投げる。
『怒ってるのは、私だけじゃないからね。』
そういって後ろを振り返る。
私の殺気に少しビビってたけど、みんなも怒ってるんです〜
『さよなら、オバサン。』
一番後ろにいた葉月の手を握って家の外に出た。