覇狼


中に入ると、とってもキレイだった。


黒を基調にしたかっこいい部屋。


この部屋はその時の総長によっていろいろ変わるんだよね。


春樹らしい部屋だなぁ笑



返り血まみれのパーカーを脱ぐ。


あれ………これ、私のじゃない…。


よくよく見ればすんごくでかい。



くっそ…………チビで悪かったな!!(←誰も言ってない)


この匂い………春樹のか。


わざわざ気を使ってくれたのかね。


今度は赤のパーカー、こっちに持ってきとこ………


春樹のパーカーのおかげでカッターシャツは結構キレイだ………


まっ、新しい服着たいし!

着替えます〜



ふと、鏡を見ると前髪がずれて眼帯が見える。


コレも……………いつかは見られてしまう。


そっと、右目に触れてみると、完治したはずの傷がズキッと痛む。



今日まで過ごしてきて、この目について一度も触れられなかった。


それはきっと、みんなの優しさ。


何かあるのはわかってるから私が言うまで待っててくれてるんだ。


私はその優しさに甘えて、いつまでも言わないつもりでいる。


信じてないわけじゃないの…………ただ、怖いだけ。



でも、いつか………言えたらいいな。



< 94 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop