覇狼
中に入ると、とってもキレイだった。
黒を基調にしたかっこいい部屋。
この部屋はその時の総長によっていろいろ変わるんだよね。
春樹らしい部屋だなぁ笑
返り血まみれのパーカーを脱ぐ。
あれ………これ、私のじゃない…。
よくよく見ればすんごくでかい。
くっそ…………チビで悪かったな!!(←誰も言ってない)
この匂い………春樹のか。
わざわざ気を使ってくれたのかね。
今度は赤のパーカー、こっちに持ってきとこ………
春樹のパーカーのおかげでカッターシャツは結構キレイだ………
まっ、新しい服着たいし!
着替えます〜
ふと、鏡を見ると前髪がずれて眼帯が見える。
コレも……………いつかは見られてしまう。
そっと、右目に触れてみると、完治したはずの傷がズキッと痛む。
今日まで過ごしてきて、この目について一度も触れられなかった。
それはきっと、みんなの優しさ。
何かあるのはわかってるから私が言うまで待っててくれてるんだ。
私はその優しさに甘えて、いつまでも言わないつもりでいる。
信じてないわけじゃないの…………ただ、怖いだけ。
でも、いつか………言えたらいいな。