闘争少女【後編】完
「!?…イ、イスズー!止まれーー!」
『……っ……!?はっ…』
無我夢中のイスズ
後ろから聞こえてきた声に今、気づき
辺りに目を向ける……も
そして……
キィーーーーーーー……
トラックの急ブレーキが響いた
パタ______
「はぁ……っはぁ、はぁんは…はぁ」
『………………………』
「危ねぇだろうが…このチビ女……
事故って死んでみろ……
命は一度きりしかねーんだよ、ばーか」
シロの一言、一言が重い声に聞こえる
『………………………』
「ほんと夢中になると
周りが見えねーやつだな……
前にも言ったろーが……んはぁ、はぁ」
間一髪のところで追いついたシロは
イスズの手を自分の方へと引きわざと倒れさせた
トラックの運転手もブレーキを踏むのが
早かったため、事故にならずに済んだのだった
「何がそんなに必死になるんだよ…
何を忘れたんだよ、お前は」
イスズの背中の体温を感じながら
今度は冷静にイスズに問いかける
『………ロの…た、から』
自分の頭の上から聞こえてくるシロの声
包まれるように後ろから抱きしめられている
そんなイスズの声は
少し小さくて聞こえずらかった
「怒んねーから……」