闘争少女【後編】完
あの後、リノとは別れ
早いあけおめ、ことよろの挨拶を交わした
『はぁ〜』
イスズの吐いた息が白く現れる
手を擦り合わせ
着ていた紺色のPコートのポケットに
両手を突っ込ませ
家路へと歩いていく……
すると
ピタ__イスズは足を止めた
『( 誰か、つけてる…… )』
後ろを振り向くことはなく
頭でそう感付き再び歩きだした
今度歩くスピードを速めて…
タッタッッタ__
タッタッタ__
タッタッッタ__
タッタッタ__
だんだんと後をつけてきている
誰かの足音も大きくなってきた
イスズはその一瞬を逃さまいと
自宅がある真っ直ぐの道ではなく
少し路地になっている角を曲がった
ザッッ!__
ガシッ!__
イスズは素早く振り返り
襲いかかってきた奴の手を受け止めた
『誰だ、お前……』
「ふ〜ん…気配がわかるなんて流石」
少し睨み顏で奴を見上げる
だが、声を放った奴の声は聞いたことのない声だった