闘争少女【後編】完
38#その少女、捕縛
スーツを着た男性が
コンクリートの床に四つん這いになり
数人の不良達に鉄パイプや素手で
その男性を殴っていたのだ
『( 何これ…あいつら(怒))』
ただのカツアゲにしては
手が込まれすぎている…
イスズの頭の中で無数の回想が膨れ上がる
なんとしてもこの状況は助けなければ…
しばらく様子を伺っていたその時だった
ガバッ……!
『!っ……』
「あれ〜、こんな所に女の子発見〜!
悪い子だね〜、見ちゃいけないもの見ちゃって(笑)」
と、背後からもう一人の不良に気づかず
口元を押さえられてしまった……
でもこんな事をされて抵抗できないほど
ひ弱なイスズではない
シュン__!ドカッ!!!
一瞬のうちに押さえられていた
手からすり抜け
相手の背後に回り後頭部に手をかけ
そのままコンクリートに頭から突っ込ませた
男は気を失い動くことはなかった
すると
「なんだ?!外に誰か居る!!!」
「女って言ってたぞ!!!」
「つか、アイツやられてるぞ;!」
「見られたからには捕まえろっ!」
そして最後の1人が「ヤレ…」と
発した言葉で他の四人が一斉にイスズの元へ
駆け込んできたのだ