闘争少女【後編】完



「ほら!さっさと乗れっ!!!」

「「「……………………」」」






二台のパトカーが
工場に入る細い道の手前の住宅街に止められ
捕まった男達が無言で乗り込んでいく







「ご協力ありがとうございました!
前々から見張っていた奴等だったもので
ここは巡回していて正解でした!
……ですが、申し訳ありません。
女子高生の方をこんな目に合わせしまって」


「別に大丈夫っすよ。
彼奴ら捕まえれてよかったすね…
あいつは俺が責任持って
病院連れてくんで心配いらないですよ」






警察官とワシタカが話している最中
イスズはもう一台のパトカーの後部座席に
寝かされていた





そう、無事にイスズを救出したワシタカは
警察が来るまでに麻薬常習犯の奴等を
いとも簡単に撃退し逮捕まで導いたのだった







「では、お乗りください
病院までお送りします!!!」


「ありがとうございます」






ワシタカはパトカーの後部座席に乗った
その席にはイスズが寝ているはず



だが



右側に座ったワシタカは
イスズの頭を自分の膝に優しく乗せた





「大丈夫か?
病院連れてくからそれまで大人しくしとけ」


『……………がと』


「無理に喋んな……
別にまぁ、あのリーマンが俺に
助けを求めて来なかったらお前
とんでもねー事になってたのは間違いねーな」


『…………………』






そうワシタカがどうしてあの現場に
駆け付けてくれたのか
それはイスズが降りた駅の町が
ワシタカの家の近くだったらしい







たまたま家に帰るまでの道を歩いていると…





細い脇道からボロボロの姿の
サラリーマンの男が
ワシタカに縋り付くように
「お願いします!
たす、助けて下さいっっ(泣)
今、あの工場で女子高生の子がっ…
ひ…1人で彼奴らを、倒そうと……」
そこで男は気を失った







そして近くを歩いていたおばちゃんに
声をかけ、救急車を呼ぶようにと伝え







ワシタカは工場の方へと走っていったのだった




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