闘争少女【後編】完
39#その少女、囚身
ヒュ〜ン_
ヒュ〜ン_
真冬、真っ只中……
風はもはや冷たいでは言い表せないほど
顔から体全体に当たってゆく
イスズは聖華の屋上に佇んでいた
『…………寒い』
「当たり前でしょーが
こんな真冬に屋上に
来る人なんてイスズくらいよっっ!」
と、リノのツッコミが入る
「で、先生には気分が悪くて
早退したって伝えておけばいいのね?」
『うん…お願い。』
「イスズ…………」
リノはイスズに近づき両手を掴む
「あんまり自分を追い込まないで…
いつも在り来たりな事しか言ってあげら
れないけど、常に心配してるの
でもイスズは私の大切な友達…ううん
もう友達って言葉では言い表せないくらい
大切な人だから……(涙)」
『リノ……
わかってる、リノの気持ち全部わかってる
私も……リノは大切な人だから』
ギュウ__2人は熱い抱擁を交わす
そしてリノはキュ__と
イスズの髪を結びあの赤いスカーフを巻いた
『じゃあ…行ってくる』
「うん、気をつけて!」
屋上から出て行く
イスズの背中を見つめるリノの表情は
やはりどこか心配そうだった
その光景をあいつらが
見ていたとは気づかずに………