闘争少女【後編】完
正門前に向かう途中の中庭を通るイスズ
その姿をあのメガネの女性職員が
目で追い見ていたとは知らずに………
『金髪……アカツキか?
だったらわざわざ
こんな所にくるはずないし
私よりリノに
会いにきたってならわかるけど』
口に出しながらさっきの
クラスメイトの言葉を思い出す
ようやく正門が見えてきた
今は登校中の生徒が入ってくる中
イスズはそれを逆走しながら歩いていく
そして正門を抜け辺りを見渡す
その男はすぐに見つかった……
遊ばせた金髪の髪に
ブレザーからはみ出した
赤いパーカのフードに裾……
履きクズされたスニーカー姿の男が
正門の反対側の歩行者専用の
手すりに軽くお尻を乗せていた
如何にもガラの悪不良だ。
でもこの格好はアカツキじゃないことは
イスズでもすぐにわかった