闘争少女【後編】完
『あ、はい…
助けてくださってありがとうございました』
「いやいや〜いいのいいの♪
可愛い子は助けられてなさいっ!(笑)」
『(……苦笑)』
金髪男はまた元のお気楽な態度に戻っていた
『( まるで別人だな…… )』
すると少し離れた場所から
誰かが呼んでいる大きな声が聞こえる
「〜キッ!……シキ!!!」
「あ、やっべ……
ちょっとごめんね〜(笑)」
『え……』
グイ__と、簡単に引き寄せられ
目の前に居た金髪の姿がなくなっていた
「おい……シキ!!!
お前いきなり走っていきやがって…
そんなところに隠れても無駄だ!顔を出せ!」
イスズの目の前には
紺色のゆるふわヘアーをした細身男が
こちらを見下ろし立っていた
「…………………」
『( この人もどこかで見た…こと… )』
「はぁ〜…見つかっちった〜」
と、背中の方からシキと呼ばれる男の声が
イスズの肩に両手を置き顔を覗かせていた
そしてまた目の前に居る
紺色男の後ろの方から2人の男がやってきた
「見つかったか?シキは……」
「女子校だからって
テンション上がるのやめてよね」
ひとりは茶髪でふんわりヘアー
洋服の上から少し筋肉が張ってるのがわかるくらいの雰囲気がとてもいい人そうな感じ
もうひとりは
左目に覆う長い前髪をした黒紫色の髪をしたとてもお洒落な男の子?だ
『( まだ連れいたのかよ )』
「ごめんごめん!
この可愛い子がチャラいナンパ野郎に
連れてかれそうなところを
助けてたんだよ!!!
俺って救世主だよな!ルス!(笑)」
シキはイスズの肩をポンポンと優しく叩く
そんなシキは本当に能天気でお気楽だ
他の3人はもう呆れているのがわかる……
「僕たち人を探してるんだから
あんまり勝手なことされちゃ困るよ」
「ほら、行くぞ」
「はいはい、気をつけますよ〜
んじゃまたね〜♪
そのクレープ屋行けたら行くねー(笑)」
そう言い残し先に
ルス、ソラル、シキはその場を去っていった
「ごめんね、なんか…でも大丈夫?」
1人その場に
残ったサドがイスズの元へと歩みよる
『いえ…私なら平気です
あと少しで自分から手を出しそうになってたかもしれないのであの人が来てくれてラッキーだった…のかもしれません』
「…………………」
『それじゃ私はこれで…
あ、よかったらこれどうぞ』
イスズはクレープ屋のチラシを
サドの胸元辺りに押し付けるように渡した
「あ、ありがとう…
( 随分と荒いんだなこの子 )」
そしてイスズからその場を後にした