闘争少女【後編】完




このテストを受けないとなると
【進級しなくて結構です】と言っている
ようなものなのだ


テストを受けて赤点を取るより
テストを受けない方が残酷なのである



この前のように
途中からテストを受けさせてくれる
ようなことはイスズにはもうないと
本人も思っていた





『なるべく…努力はしてみるよ。
でも、保証はできない……しっ…!』


「そんなことない!!!
協力する!わたしが全力でっ!

おせっかいでも構わない……
私はイスズと進級したい……」


『リノ……なんでそこまで』





リノはイスズの
手を取り自分の両手で包み込む




「言ったでしょ……
友達だから、大切な人だから…

私も同じように
イスズを助けたいし守りたいの」





優しい表情で
イスズに語りかけるリノ


その想いに
イスズは胸がいっぱいになった





『……リノ、ありがとう。

だったら早く終わらせなきゃね…
この争いも…私自身の為にも……』






と、言って
今度はイスズがリノの両手を手で包み込んだ


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