闘争少女【後編】完





最初は俺のことがバレたのかと思った


だが、最後の言葉に驚きを隠せなかったんだ




生徒会室のもう一つの【会長室】と
札がなされたドアがゆっくりと開かれた




そこには漆黒の髪……
整った顔を目立たせるキリッとした目
全体が暗いブレザーの制服から
中の白いタートルネックが覗かせていた




〔 ゴクリ…;は…っ 〕




息を呑むほど
男らしいその姿に俺は見惚れてしまった





「悪りぃな…
こんな茶番に付き合わせちまって」


「ふ…なにが茶番だ。
お前が決めたことだ、副会長の俺が
とやかく言う筋合いはねーよ…

でもすげ〜よな、医大だろ?
お前みてーのが更生するとは驚きだよ」


「……………………」


「あと1カ月か…
俺たちもここに入れんの、来年は
誰かこのテッペンの景色を見てるかな〜」


「なぁ…ナンバー
そのことなんだが………………」





ブラックが口にした言葉に
少し驚いた表情を浮かばせたナンバーだったが
すぐに表情を戻し、ニヤっと笑った





「正気?」


「俺はもう闘わない…誰とも。
だから次のテッペンが決まるまでは
”そいつ”をここに置いておこうと思う」


「ほんとブラックらしいね…
で、そいつは喧嘩できんの?強いの?」


「俺の大事な”弟”だ
強ぇーに決まってんだろ……。」


「………わかったよ。

でも、一度テストしてみない?」






またナンバーはニヤリと笑ってみせた


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