闘争少女【後編】完
50#その少女、終幕
「カロクさん……」と、シキが静かに呟く
体育館の出入り口には
漆黒の髪色をしたカロクが立っていた
__カタ_カタ_カタ
カロクは2人の間に割って入り
イスズに背を向けサドの前に立ちはだかる
「それ以上はよせ…サド。
お前がしたかった闘いはこんなことか?
こんなことをする為に俺を呼んだのか?」
「…………………」
「もう勝負はついた。」
そう言い放つと今度はサドに背を向け
イスズの方へと振り返り近づいてゆく
『シ、ロ?…ぃゃ、カロ…ク?』
久しぶりのシロの姿に心臓が跳ね上がる
これも今までになかった感情が湧き上がってゆく
「今はカロクでいい」
『カロク………』
「サド……お前の負けだ。」
カロクはしゃがみ込み
倒れているイスズに優しく頭を撫でた
そして薄れゆく意識の中
ずっと会いたくてたまらなかった人物が
目の前に現れ安心したのか
イスズはそのまま目を閉じた……