闘争少女【後編】完
さっきイスズを呼んだ声の主はシロだった
「イスズ……
お前、目覚ませ……おい!
聞いてんのか!…おいっ!!!」
イスズがマルボロを窓から
突き落とそうとしたところを間一髪で止めた
シロの左手はマルボロのシャツの背中を掴み
右手でイスズの肩を抑えていた
シロはイスズが
正気ではないことを途中から気づいていた
そしてイスズの肩を揺する
『…………………っ!
は!?、え……シ、ロ……?』
視界が揺らぐ数秒間
イスズはやっと我に返りシロの名前を呟いた
「はぁ……
お前ってやつは加減ってものを知れ
自分の感情をコントロールできねーで
お前もこいつと同じ事しようとしたんだぞ?
わかってんのか……」
『!!…っごめん、なさい…』
「たく……
まぁ、バルの仮はお前に任せた俺にも
責任はあるがな(苦笑)
よくやったよ……成長してんのなお前」
クシャクシャ__
最後は褒め言葉に変えてみせ
イスズの髪を荒く優しく撫でた
『…///……っ……』
「イスズぅ〜〜〜!!!」
ギュッッッ__
『っく、くるし…ぃ』
「は、ごごめん……
ほんともう心臓止まるかと思って心配
してたんだから!!!
と、とりあえず保健室行こ?
怪我してるし、ね?
アカツキくんもよかったら……」
リノがやってきて
イスズとアカツキを保健室へと誘導する
荒れ果てた三階の一角…
イスズとマルボロの一戦の跡が物語っていた
クシャクシャになった看板
バラバラに散らばった紙くずやチラシ
割れたガラスの破片
こうして波乱の聖華祭2日目が幕を閉じた
ある4人がその闘いを見ていたとも知らず