闘争少女【後編】完

ヒュー_

フュー_


風が全身に襲いかかる
髪、洋服がふわりと揺らいでいる





イスズの目の先にある男の姿を捉えていた




『ワシタカ……』






その男はズボンのポケットに手を突っ込み
イスズを待ち構えていた






「待ってたよ、イスズ…ちゃん?」ニヤ


『……そうやって表向きの
自分を演じるのはやめたらどうだ?』


「なんのこと?」


『しらを切っても無駄だ
お前の情報は掴んでる…
表向きは軽い男で女子にモテるとかなんとか
騒がれてるみたいだけど……

実際は……大の”女嫌い”。』


「へぇ〜…
世間の噂話ってのは怖いね(笑)

でもイスズちゃんは別だよ…
特別ってゆうのかな?

なんか凄く……ムカつくんだよね」





最初の態度からは想像できないほどの
冷酷な言葉と顔からは一切、笑顔が消えた






『だったら最初から
その名前で呼ぶんじゃねーよ…

こっちが気持ち悪い…

やっと本性を出したな、ワシタカ』





両者、口に出さずとも
オーラでとても雰囲気がピリピリとしている





「この前も言ったけど……
女がこの学校にいること自体ありえねーんだよ
引っ込んでればいいものの
お前は俺たちの邪魔をした。

だから今度は俺が相手だ…叩きのめす」


『そんなもの私には関係ない
私は私の目的があってここに居る……

叩きのめされる前にお前を倒してやる』






ジャリ__
ワシタカはポケットから両手を出し
足踏みをしたその瞬間が合図となり




イスズとワシタカの対戦がはじまった





その合図と同時にイスズも
シュル__と
セーラー服のスカーフを白から赤に変えた







これが戦闘モードのイスズだ

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