闘争少女【後編】完
『オオカミ…?聞いてる?』
「う……うっわああああああああああ」
『(!)っるさ……』
”おい、うるせ〜ぞ!”
”静かにしろよ、ウルフ!”
”吠えるにはまだ早くねーか?”
微かだが電話の向こう側から
クラスの連中にガミガミと言われていた
「俺は今、猛烈に感動しとんねん!
お前らは黙っとけ!
……あ、わりぃ…イスズ…ぃゃあの」
『ふ…ふふふ(笑)』
「でもよかったわ元気そうで…
また顔見せに来いや?
ゆうてもイスズこっちじゃ
凄いことなんっとんでー!!?」
『うん、ありがとう
え、どうゆうこと……?』
「来たらわかるわ(笑)」
意味深なことを言うオオカミに
イスズの頭の上にはハテナマークが浮かぶ
『じゃ、またね…』
「おん、ほなな!」
と、電話を切った
イスズは顔を空へとあげる……
雲は流れることなく
片隅で黙々と大きくなっていた
まるでイスズは
自分の心のケージが曇っていくのと
同じように感じていた