傘と雨音
「フッ、流石私の友人Bだ。私の事よく分かってるじゃないか!賞賛を…いたたたたた!」
私の態度が気にくわなかったらしい友人Bは私の頬を両手で引っ張る。
「誰が友人Bだ!誰が!鈴様とお呼び!」
「ごめんなしゃい!鈴様!!」
頬肉が引っ張られ過ぎてミシミシと音が鳴ったような気がして焦った私は、
急いで謝罪の言葉と涙目を鈴に送る。
それを聞いた鈴が『ふんっ』と鼻を鳴らして手を離した。
その一部始終を見ていた友人A……ではなく岡本(女)がゲラゲラ笑っていた。
「紬はいつまでたっても中二病が抜けないんだから!
そんな態度だといつまで立っても彼氏できないよ!」
「いーやー、私は高2になっても女子さの欠片もない紬が大好きだけどねー!
逆に重宝した方がいいよ」
しっかり者の鈴。
能天気な岡本(女)。
この2人が私の世話係の女どもだ。
そして私は一国をまとめ上げる…
「おい、紬。また何か変な想像して、自分を祭り上げてるだろ?」
「…!!!そんな事ないよ!?」
鈴様が怖いのでこれ以上は何も想像しない事にする。