Verbal Promise(口約束)~プロポーズは突然に~
*
今日も残業。陽はだいぶ長くなったてきたけど、私が帰宅する時間はいつも通り空は暗い。
「はっはっはっ……!」
夜空に向かって大きな笑い声が響く。会社を出る時にばったり居合わせた永瀬の笑い声だ。
「あー、おもしれぇ。ほんといいよ、おまえ。笑いのセンスあるよ!」
「何も、笑わせるようなことしてないんですけど……」
ただ、社員旅行で男性向け強行スケジュールのニューヨークへ行くだけだ。……女、一人で。
笑われて不快な気持ちの上バンバンと背中を叩かれさらに不快感が増す。
「可哀そうだから変わってやりたいけど……」
永瀬は眉間にしわを寄せただ真っ直ぐに前を向く私の顔を覗き込んで言った。
「希望提出後の変更は無理だもんな?」
「くっ……」
握りしめた拳が小刻みに震える。悔しい……!
「ま、でも。メンバーほとんど同じ部署の人たちなんだろ? よかったじゃん」
「……まぁね」
建築物の見学がメインのニューヨークへの希望者は、建築を専門とするうちの部署の男性社員がほとんどだった。おじさんばかりだけど優しい人たちだし、別に女一人だって私は平気だ。むしろ一人部屋を用意してもらえるからラッキーくらいに思っている。ポジティブシンキング!
今日も残業。陽はだいぶ長くなったてきたけど、私が帰宅する時間はいつも通り空は暗い。
「はっはっはっ……!」
夜空に向かって大きな笑い声が響く。会社を出る時にばったり居合わせた永瀬の笑い声だ。
「あー、おもしれぇ。ほんといいよ、おまえ。笑いのセンスあるよ!」
「何も、笑わせるようなことしてないんですけど……」
ただ、社員旅行で男性向け強行スケジュールのニューヨークへ行くだけだ。……女、一人で。
笑われて不快な気持ちの上バンバンと背中を叩かれさらに不快感が増す。
「可哀そうだから変わってやりたいけど……」
永瀬は眉間にしわを寄せただ真っ直ぐに前を向く私の顔を覗き込んで言った。
「希望提出後の変更は無理だもんな?」
「くっ……」
握りしめた拳が小刻みに震える。悔しい……!
「ま、でも。メンバーほとんど同じ部署の人たちなんだろ? よかったじゃん」
「……まぁね」
建築物の見学がメインのニューヨークへの希望者は、建築を専門とするうちの部署の男性社員がほとんどだった。おじさんばかりだけど優しい人たちだし、別に女一人だって私は平気だ。むしろ一人部屋を用意してもらえるからラッキーくらいに思っている。ポジティブシンキング!