Verbal Promise(口約束)~プロポーズは突然に~
「あれ? おまえ顔、赤くないか?」
「う、うるさいな! ていうか永瀬こそ!?」
「だって照れるじゃん。恥ずかしいじゃん! だって俺たちが手を繋いで……!」
「わー! 言わないでよ!」
再び勢いよく俯いた視界に繋がれた私たちの手が映る。
知らなかった。永瀬の手が思ったよりも大きくて固くて、あったかいその熱は冷えた私の指先には心地がよくて……
「オヤジばっかだと思うけど、一応気をつけろよ」
「……はい?」
「旅行」
「な、なに……心配してんの?」
「そりゃあ。だっておまえは俺の女だし」
「……」
「あれ? 反論は? ていうか今んとこはつっこむところだろぉ?」
いつもなら速攻反論のツッコミを入れるところなのに、タイミングを逃してそのまま黙ってしまった。胸と息が苦しくて、うまく言葉が出てこなかったんだ。
すぐにいつもの調子が出ないのは手を繋いでいるせいだってことがすぐに分かって無言のまま手を振り払う。
空気に晒された右手。冷たかった指先は熱を持って、手のひらは手汗でベタベタになっていた。
「う、うるさいな! ていうか永瀬こそ!?」
「だって照れるじゃん。恥ずかしいじゃん! だって俺たちが手を繋いで……!」
「わー! 言わないでよ!」
再び勢いよく俯いた視界に繋がれた私たちの手が映る。
知らなかった。永瀬の手が思ったよりも大きくて固くて、あったかいその熱は冷えた私の指先には心地がよくて……
「オヤジばっかだと思うけど、一応気をつけろよ」
「……はい?」
「旅行」
「な、なに……心配してんの?」
「そりゃあ。だっておまえは俺の女だし」
「……」
「あれ? 反論は? ていうか今んとこはつっこむところだろぉ?」
いつもなら速攻反論のツッコミを入れるところなのに、タイミングを逃してそのまま黙ってしまった。胸と息が苦しくて、うまく言葉が出てこなかったんだ。
すぐにいつもの調子が出ないのは手を繋いでいるせいだってことがすぐに分かって無言のまま手を振り払う。
空気に晒された右手。冷たかった指先は熱を持って、手のひらは手汗でベタベタになっていた。