Verbal Promise(口約束)~プロポーズは突然に~

11 紛れもなく、恋

 数日前まで生活していた街へ着いたのは早朝。バスの中でほとんど眠ることが出来ず眠気に目が開かない私を眩しい朝日が容赦なく照りつける。
 始発の電車に乗って目的の場所へと向かう。
 事前に連絡は入れていない。急に、それもこんな早朝に突然訪ねて行ったら怒るだろうな……。
 永瀬の自宅に近づくにつれ胸が苦しくなってくる。
 どこかで時間を潰して気持ちを落ち着けてから会いに行った方がいいんじゃないかという思いも少し。逃げ出したくなる気持ちも少し。でも今すぐに会いたいという気持ちに勝るものはない。まっすぐに足は永瀬の自宅へと向かった。
 アパート前に着いてまだ寝ているだろうと思いながらも呼び出そうと携帯を手にした時だった。

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