Verbal Promise(口約束)~プロポーズは突然に~
「イマイチすっきりしない。つまり、私のことはちゃんと好きなの? そんなにすぐに気持ちって変わるもん? ずっと友達でなんとも思わなかった相手を異性として意識できるもん?」
「うん」
「早っ、軽っ」
「特にプロポーズしてからは。迫る俺から真っ赤な顔して逃げ惑うおまえが可愛くて、もっと好きになった」
「恥ずかしい! やめてよ!」
永瀬は手に持っていた水を置くと「うーん」と何かを考えるようにして小さく唸った。
「さっき俺、男女間の友情はないって言ったっけ」
「うん……」
「俺はさ、気持ちはどうあれ出会った時から綾のことは女として見てるよ」
「や、やっぱりやましい目で……!」
「まぁ、まずは聞け」
永瀬はテーブル前に置いてある冷たい麦茶の入ったポットを手に取って私と自分のグラスに注ぎながら言った。
「アクマで俺個人の考えだけど。男なんてその気になれば誰とだってヤレるんだよ」
「うわ……」
「綾の癒し系の顔は好きだし体型も想像ではかなりタイプの身体してて……」
「ギリCだっけ?」
「なぁ、実際どうなの?」
「知らん!」
アホみたいな脱線した会話に一度揃って噴き出す。
「二人きりになったことも、夜を過ごしたことも何度もあって。今思えば気持ちがぐらついたことは何度もあったけどそれでも理性が抑えられたのは、それだけおまえが特別だからだよ。適当なことして失いたくないとか。そんな風に思える女、はじめてだ」
「それはただ、友達だし居心地がいい関係を壊したくないからだけじゃ……」
「そう思えるのってデカいよ。この先、異性でそんな相手に出会える気がしない」
さらりと言い放たれた言葉だけど、心に響く重みは感じる。
特別だと言ってくれた。いまいちまだ実感が湧かないけど……
「食い終わったよな? 出ようぜ」
永瀬について立ち上がり店を出る。
「家に寄るんだっけ?」
「うん」
同じ方向に足を向ける。このあとも別々に自分の家に帰るんじゃなくて、当然のように一緒に過ごすという現実が、私達の関係が、以前までの友達ではないということを証明しているような気がして。半歩下がって永瀬の背中を見つめるだけで胸がドキドキする。ときめきが止まらない。
久々に入る自宅。大阪に行く前と何も変わっていない。連休が明ければここから荷物が運び出されるのだろう。
扉を閉めて鍵も閉めて。肩を引かれて振り向くと私の頬を両手で挟んで自分の方に向かせ、唇を合わせてきた。
突然のことで少し驚いたけど、この間のキスとは違うゆっくりと私の舌を絡め取る甘いキスに瞳を閉じて身を委ねた。
「うん」
「早っ、軽っ」
「特にプロポーズしてからは。迫る俺から真っ赤な顔して逃げ惑うおまえが可愛くて、もっと好きになった」
「恥ずかしい! やめてよ!」
永瀬は手に持っていた水を置くと「うーん」と何かを考えるようにして小さく唸った。
「さっき俺、男女間の友情はないって言ったっけ」
「うん……」
「俺はさ、気持ちはどうあれ出会った時から綾のことは女として見てるよ」
「や、やっぱりやましい目で……!」
「まぁ、まずは聞け」
永瀬はテーブル前に置いてある冷たい麦茶の入ったポットを手に取って私と自分のグラスに注ぎながら言った。
「アクマで俺個人の考えだけど。男なんてその気になれば誰とだってヤレるんだよ」
「うわ……」
「綾の癒し系の顔は好きだし体型も想像ではかなりタイプの身体してて……」
「ギリCだっけ?」
「なぁ、実際どうなの?」
「知らん!」
アホみたいな脱線した会話に一度揃って噴き出す。
「二人きりになったことも、夜を過ごしたことも何度もあって。今思えば気持ちがぐらついたことは何度もあったけどそれでも理性が抑えられたのは、それだけおまえが特別だからだよ。適当なことして失いたくないとか。そんな風に思える女、はじめてだ」
「それはただ、友達だし居心地がいい関係を壊したくないからだけじゃ……」
「そう思えるのってデカいよ。この先、異性でそんな相手に出会える気がしない」
さらりと言い放たれた言葉だけど、心に響く重みは感じる。
特別だと言ってくれた。いまいちまだ実感が湧かないけど……
「食い終わったよな? 出ようぜ」
永瀬について立ち上がり店を出る。
「家に寄るんだっけ?」
「うん」
同じ方向に足を向ける。このあとも別々に自分の家に帰るんじゃなくて、当然のように一緒に過ごすという現実が、私達の関係が、以前までの友達ではないということを証明しているような気がして。半歩下がって永瀬の背中を見つめるだけで胸がドキドキする。ときめきが止まらない。
久々に入る自宅。大阪に行く前と何も変わっていない。連休が明ければここから荷物が運び出されるのだろう。
扉を閉めて鍵も閉めて。肩を引かれて振り向くと私の頬を両手で挟んで自分の方に向かせ、唇を合わせてきた。
突然のことで少し驚いたけど、この間のキスとは違うゆっくりと私の舌を絡め取る甘いキスに瞳を閉じて身を委ねた。