Verbal Promise(口約束)~プロポーズは突然に~
 暗がりから一転して明るいバスルーム。汗でべっとりした身体を洗い流すためだ。ほとんど水に近い温度のシャワーが今はとても気持ちがいい。シャワーを上から流しっぱなしにしながら軽く泡で身体を流していると真後ろに人の気配。バスルームの扉が開く音がシャワーの音にかき消されて気づかなかった。

「なぁ、どうだった?」
「ど、どうって……」

 私の邪魔をするように永瀬が背後から抱きついてくる。裸で密着。やば……顔が熱い。目の前の鏡が曇っててよかった。

「そ、そっちこそ。分かったと思うけど……残念ながら、ギリCないんで。昔は……あったんだけど」
「そうなんだ」
「そうなんだ……っておい!」

 後ろから回ってきた手が私の胸に触れ、その手にすっぽりと自分の胸が収まる。

「気にするなって。ちょうどいい!」
「楽しそうに言わないでよ! きゃー! きゃー!」

 絶叫しながら逃げようと身体を捩ると腕がシャワーのホースに触れシャワーの向きが変わった。
 曇った鏡に水がかかるとばっちりと私達二人の姿が映る。

「ち、ちょっと、やだ……!」

 さっき達したばかりだからかすぐに身体が反応して熱くなってくる。胸を触りながら、うなじに唇を這わせる。

「なぁ、今日はあと何回する?」
「……は!?」
「一回で終わりだなんてことないよな。夜はまだ長いし、俺らさっき起きたばっかだし?」
「私一応……病み上がりなんですけど……」

 胸だけに留まらず下半身にまで手が伸びたところで本気だと感じて私も本気で逃げ出す。そんな私に目を向け永瀬は余裕のある笑みを見せる。

「好きなくせに。おまえ、意外とエロいんだな」
「なっ、なっ……!」
「さっき、良かったよ。余計に惚れた、好きになった」

 そう言うと永瀬はご機嫌な様子で頭からシャワーをかぶった。
 わ、私……身体、もつかな……。

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