Verbal Promise(口約束)~プロポーズは突然に~

23 サプライズ

 年末につれ少しずつ忙しくなると聞いていた通り秋口には定時で帰れる日はなくなって、冬が訪れる頃には休日出勤は当たり前になって早くも死相が出始めた。

「し、死ぬ……!」

 いつもより何時間も早い午後6時に帰宅した私は一目散にベッドにダイブした。大晦日の今日は仕事収めだった。
 気付いたら冬になっていて、クリスマスという一大イベントも知らぬ間に終わっていた。世間ではとっくに連休に入っているというのに、私は31日まで出勤。やっと明日から一か月ぶりの休みだ。
 いつもなら年明け前に実家に帰って大晦日は家族と過ごしているのだけど今年はギリギリまで仕事だったためお正月に入ってから顔を出すと連絡済。年越しの瞬間は一人で迎えることになりそうだ。

「永瀬は今頃実家かぁ~」

 独り言をつぶやきながら仰向けになる。今年いっぱいで会社を退職し、休みに入ったらすぐに実家に帰ると言っていた通り実家に帰省済み。2、3日前に今から帰るとメールが届いていたから。
 永瀬と最後に会ってから、今日まであっという間だった。きっと春までもすぐだよね。
 一人でしんみり寂しい思いに浸るのは嫌で、お風呂にでも入ろうと疲れた体に鞭打って立ち上がる。コートを脱いでベッドに放り投げたところで、携帯電話が鳴りだした。
 電話の相手は永瀬だった。

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