雨
途方に暮れていた俺の目に映った、
バー'Amelie'の看板。
こんな所にこんな店あったか?
小さく目立たないその店は
なんというかすごく…
いいカンジだった。
この激しい雨が少しでも収まるまで
入れてもらおうか。
運よくいけば、傘なんか貸してもらえるかもしれない。
右手に持った
ボロボロで折れ曲がったビニール傘に目をやった。
こりゃ
ひどいな。
傘を握ったまま
水溜まりのような道を歩いた。
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