空を見る理由
すぐに電話は繋がって
でも出たのは愛梨ではなく
愛梨のお母さんだった
涙ぐんでいて何を言っているかあまり聞き取れなかったが
愛梨がなにか危ない状態なんだと
察して僕は急いで走った
走っても走っても
遠い距離は縮まらなくて
息を整えては
また走る
僕がついて
真っ先に病室に向かう
愛梨の姿を見つけて駆け寄る
綺麗な顔して
涙が見えた
手を握る
嘘だろ?
なぁ、目を覚ませよ
愛梨の手に握られていた何か気づいた