恋愛ケータイ小説倶楽部
「いてててて……」


私は何かなぶつかって倒れてしまったようだ。

でも床のひんやりした感覚はない。

それどころか、何だか生温かいような人肌のような感覚が私を優しく抱きとめてくれている。


「いてぇな……お前」


「せ、先生!?」


私は先生を押し倒しているような形になっていた。

筋肉のついた厚い胸板。
女の子とは違う男らしくてがっしりとした首。
そして先生の逞しい腕がふわりと私の背中に纏わり付いている。


先生の匂いがする…

タバコとコーヒーの混ざった、大人の香りが私の鼓動をさらに加速させる。


そして、暗闇の中に目が慣れてきた瞬間、ごく間近で視線が絡んだ。


ーーードキッ


それは何だか一瞬時が止まったような。


そんな感覚を覚える。


「ご、ごめんなさい」


そう言って上に被さっている私は先生から離れようとしたのだけれど。


その時、不意に背中にまわされていた先生の腕に少し力が入った。


ギュッと抱き締められてるような。


そんな……




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