恋愛ケータイ小説倶楽部
私はあれから先生と別れ、玄関へと足を運んだ。


上履きから靴に履き替え、一歩一歩出口に近づく。


雨だ。


バケツをひっくり返したような土砂降りの雨は止むことなく降り続き、アスファルトを激しく打ち付けていた。


そうだ。私、傘持って来なかったんだったっけ…


こんなことならお母さんの言うこと聞いておけばよかったな。


私、ほんと……バカだ。


「よかったら入ってく?」


「え?」


振り向くとそこには今にも傘をさそうとしている人影が見えた。


「……長谷川くん」


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