恋愛ケータイ小説倶楽部

「……って理沙、聞いてる？」


「……え？」


今日は沙也加、恵梨香、京子、いつものメンバー、いわゆるいつメンでの女子会inカラオケ。


ただここはカラオケであるにも関わらず歌を歌うこともそこそこに、この場はちょっとしたミーティングルームと化していた。


「何か最近おかしいよ？どうかした？」


そう、恵梨香が眉をしかめながら私の顔を覗き込んで心配する。


「何にもないよ、大丈夫。あ、そろそろ何か歌おっかな〜」


私は心配させたくなくて、妙に元気なふりをし、机の上にあったデンモクに手を伸ばした。


実際は全く大丈夫なんかじゃないんだけど。


「あ！」


沙也加がマイク越しに大きな声をあげた瞬間、マイクのキーーンという耳障りな音が室内全体に響き渡った。


「沙也加、うるさい」


恵梨香は両手で耳を塞ぎながらそれを指摘した。


「ごめんごめん。実は私、今日すごい情報を手に入れたのであります」


話す前に"すごい"なんて言葉を使いハードルを上げる沙也加にみんなの視線は集中する。


「えー、なになに？」


そう言いつつ、京子はテーブルの上に広げられたポテトチップスを摘まんでいる。


沙也加の話にそこまで期待はしていないようだ。


「ふふふ。聞いて驚くなかれ。な・ん・と、2-Cのあの加藤さんが長谷川くんに告ったんだって」