恋愛ケータイ小説倶楽部
そうこうしているうちにコート内には既に人が集まり、中央でティップオフが始まった。


「あ、長谷川くんがボールとった!やっぱかっこいいー!」


「沙也加、アンタ、彼氏も出てんだから」


「それはそれ、これはこれでしょ」



私も恵梨香もキャッキャと騒いでいる沙也加に呆れていた。


でも、黄色い声をあげていたのは、沙也加だけではなかったようで。


「長谷川くん〜!」


「王子、かっこいい〜!頑張れ〜」


なんて声がそこら中から聞こえてきた。


分かっていたけれど、やっぱすごい人気だよね。



「瀬戸くんはどうしたのよ。瀬戸くんは。長谷川くんのことばっかかっこいいって言ってさ」


「それはほらアレだよ。憧れみたいな。ほら芸能人見てかっこいいー!って言うのと同じだよ」


なるほど。


"憧れ"と"好き"は違うってやつか。


すると、


「あ、」


先制点が入った。


うちのクラス。


と言いたいところだけれど、先制点はB組。


しかも瀬戸くんが鮮やかにレイアップシュートを決めた。



< 185 / 217 >

この作品をシェア

pagetop