恋愛ケータイ小説倶楽部
「理沙!」


「……え?」


「うちのクラス勝ったよ!」


「え…、あ」



沙也加に声をかけられ、ハッと意識を取り戻す。


私がいろいろと考えを巡らしているうちにいつの間にか試合は終了し、うちのクラスは見事勝ったようだった。


時間が経つのって本当に早いな。


というよりも私が最近ボーッとしすぎているのかもしれない。


「長谷川くん、やっぱ大活躍だったね〜!もうさすが王子様って感じ!」


「ほんとね。誰だよ、長谷川くんはテニスしか出来ないとか言ったやつ」


そういえば、種目を決める時にそんなこと言ってた男子がいたっけな。


今考えるとそれって完全に僻みだわ。


長谷川くんってほんと何でもできるんだな。


非の打ち所がないとはこのことだ。



「ちょっと瀬戸くんのとこ行ってきていい?」


沙也加が遠慮しがちにそう言ったので、パッと目の前を見るとそこには瀬戸くんが手を振っていた。



「うん」


「いってらっしゃーい」



私と恵梨香が見送ると沙也加は元気良く瀬戸くんのところへ駆けて行った。


いいな。


沙也加が本当に可愛く見える。


こんなふうに人をうらやましいと思ったことも生まれて初めてかもしれない。




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