恋愛ケータイ小説倶楽部
「今はただ大まかなあらすじを書いていただけだからこんなふうに」


そう言いながら手馴れた手つきでホワイトボードに書き込む。


「第一章とか少し細分化して内容を掘り下げていけばいいと思うよ。物語のシーンを順番に書いていったり」


「…………」


「あと、伏線要素もこの時に書き込んでおくと、後あと回収しやすいからオススメ」


当たり前だけど、さすがいつも生徒の前で授業をしているだけあって、そのパフォーマンスがさらに説得力をアップさせている。


「あと登場人物のセリフとか風景描写で絶対書きたいっていうのがは書いていてもいいけど、大まかなイメージで今は大丈夫。具体的なのは執筆中に考えればいいから」


なんか……すごい。


これを訊いていると何だか私でもすごいものがかけるのではないか、なんて言う錯覚に陥ってしまいそうだ。

もっとテキトーな感じなのかと思っていたけれど、思ったよりも本格的……というか先生がほんとに先生で……


いや、本業が先生なんだけど。


でもこんなにちゃんとした小説講座みたいなのをするとは思っていなかった。


しかし、私の中で新たな疑問が生まれた。



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