恋愛ケータイ小説倶楽部
一番下段まで降りると、私は一人のお婆さんが重そうかキャリーバッグを抱えながら階段を上ろうとしている姿が目に止まった。

ここの階段にはエスカレーターがついていなくて、そんな重い荷物を抱えながら階段を登るのはか弱い老人にとっては一苦労だろう。

しかし、辺りを見回りしてもそれを助けようとする人は誰もいない。


朝のラッシュの中でそんなことにいちいち足を留めていられるか。

そんなことを漂わせる足音。


私は腕時計で時間を確認した。


登校時間までには……まだ間に合うよね?


「おばあちゃん、私、持ちますよ」



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