恋愛ケータイ小説倶楽部
「!!」


そうだよ。私は忘れていた。


こんな人気者の長谷川くんと一緒に登校するなんて。


長谷川くんにめっちゃ迷惑がかかりそうじゃん。


それに変な噂でも立ったりしたら、長谷川くんもきっと困るだろう。


「じゃあ、私先行くね」


「あ……」


長谷川くんは何か言いたげだったけど、私はそのまま一人で玄関へと向かった。



"その時からずっと……"



あの言葉の続きは一体何だったのだろう。


足を止め、ふと後ろを見ると、長谷川くんはさっきの男子となにやらじゃれあっている様子だった。


……まっいっか。


そして、今日一緒に登校していたのを沙也加に見られてたら、また大騒ぎしそうだな。


なんてことを考えていた。


「……はぁ〜。お前、ふざけんなよ」


「え?なになに?」


なんて会話をしていたのは、もちろん、私の耳には届くはずもなかった。


私のクラスの王子様は


やっぱり王子様だった。






第四章 私のクラスの王子様は -完-

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